日本で長年トップクラスの人気を誇るスポーツ、野球。最近では大谷翔平選手のメジャーリーグでの活躍が連日報道されるなど、ニュースなどでも話題に上がりがちですよね。そんな野球と同系統のスポーツとして知られるのがソフトボール。具体的にはどういった違い、そして共通点があるのでしょうか。
今回はソフトボールと野球の違いと共通点について紹介します。
ソフトボールと野球の違いや共通点は?
ソフトボールと野球の違いや共通点について、ソフトボールのルールを軸に紹介していきますよ。ちなみにソフトボールには「ファストピッチルール」と「スローピッチルール」の二通りがあるのですが、スローピッチルールはレクリエーションなどで用いられる、競技性薄めのルール。ここでは、国際大会などでも用いられる「ファストピッチルール」を軸に説明していきます。
基本ルール
大前提、ソフトボールは野球同様ピッチャーがボールを投じ、バッターがそれを打つことでゲームが進むスポーツです。ランナーが一塁、二塁、三塁を通ってホームに帰れば得点になり、守備に就く選手はピッチャー含めて9人という点も同じですよ。野球 背番号が「一塁なら3番、キャッチャーなら2番」といった感じで「この番号が多い」という傾向がありますが、ソフトボールでも同様の傾向があるようです。野球のルールを知っていれば、ソフトボールが初見であってもあまり混乱することなく楽しむことができるでしょう。
投げ方の違い
両スポーツの違いとして、最も目立つのはやはり投手の投げ方でしょう。野球では「オーバースロー」「アンダースロー」「サイドスロー」など多彩な投げ方があり、ある程度融通が効きます。ソフトボールでも投げ方自体は複数ありますが、基本的に下手投げで投げなければならず、また「肘と手首が体側を通過しなければならない」という決まりもありますよ。
ソフトボールの投法で最もメジャーなのは「ウインドミル」と呼ばれる投法です。下手から、一度腕を一回転させて投じる、躍動感に溢れた投法です。この投法を野球で行うと違反、ボークを取られますよ。
出展:全国無料テレビ BS11
球速の違い
ソフトボールの球速では、日本代表のレジェンド、上野由岐子選手が121km/h(121キロ)を記録しています。アメリカのアボット選手は124キロを出しました。女子選手の平均球速は約100キロ前後とされますよ。ソフトボールといえば女性がやるスポーツという印象を持っている人もいるかもしれませんが、男子ソフトボールもリーグ戦や大会が行われており、平均は120キロほど、最高球速はアダム・フォーカード選手の135キロとされています。
ちなみに、野球においては、NPBでは大体の選手が140キロ以上、速ければ160キロを超えてきますが、女子選手では平均105~120キロ、山田優理選手の129キロが最速記録とされています。
球の大きさや重さ
基本的にソフトボールの方が球速が遅い傾向にあります。投げ方の影響もあるのかもしれませんが、野球においてもアンダースローで140キロを記録する男子選手がいたりしますよね。
球速の違いについては、それぞれのスポーツで使われる球の違いの影響もあるでしょう。野球の球は、直径約23cmで重さは約145g。それに対してソフトボールは直径約30.5cmで重さ約180gです。ソフトボールの方が重く、また大きさもソフトボールの方が大分大きいのですね。これではソフトボールの方が球速が出ないのも納得。一方で上野由岐子選手の球が「野球における160キロに相当する」という紹介をされたこともありました。これはなぜでしょうか?
グラウンドの寸法の違い
体感球速の違いの秘密は、グラウンドの寸法の違いにあります。マウンドからホームベースの距離が、野球であれば男女共18.44mですが、ソフトボールでは女子で13.11m、男子でも14.02mしかないのです。距離が近ければ当然球も速く感じます。そう考えると、ソフトボールでの135キロとなってくると本当に凄まじく速く感じるのでしょうね。
塁間も野球とソフトボールでは違い、ソフトボールの塁間は18.29mで野球の3分の2程。球が重い分打球も飛びにくいので、外野フェンスまでの距離も短めになっていますよ。
バットの違い
ボールが違えばバットも違うわけですが、重いボールを扱うソフトボールでは野球よりも重たい、力強く振れそうなバットを使いそうなものですよね。ところが、野球で使うバットは直径6.6cm以下なのに対しソフトボールで使うバットの直径は5.7cm以下、バットの重さも野球よりは軽いのです。
このため、ソフトボールではプレーが内野で完結することが多く、塁間の狭さも影響してかなりスピーディなプレーが目立ちます。バントの作戦を取ることも、ソフトボールの方が多いのですね。
その他のルールの違い
他にもソフトボールと野球には色々な違いがあります。ただ、ここから紹介する違いについては「ソフトボール特有のルール」という感じはしないかもしれませんね。
まず、野球が基本9イニングで戦うのに対し、ソフトボールは7イニング制が採用されています。また、ソフトボールでは一塁に「ダブルベース」が採用されています。ダブルベースは一塁線をまたぐように、同じ大きさで色が違うベースが二つ置かれ、バッターランナーが一塁を駆け抜ける時に守備プレイヤーと接触する危険性が低くなっているのですね。NPBでもフェニックスリーグで拡大ベースが試験的に用いられるなどの試みが行われており、将来的にダブルベースが採用される可能性はあるのではないでしょうか。
他にも細かな違いが
違反投球(野球におけるボーク)はソフトボールではイリーガルピッチと呼ばれ、行った際にはボールカウントが一つ追加、更にランナーが一つ進むことになります。野球のボークは、ランナーがいる時にはボールカウントの追加が無いので、少しだけ違うのですね。また、投手がボールをリリースするより前にランナーが離塁すると、ソフトボールではアウトになります。要するに、野球で言う「リード」が出来ないのですね。
ソフトボールで用いられる特徴的なルールには、「リエントリー制度」というものも。一度代走を出されるなどで試合から退いたスタメン選手は、もう一度のみ同じ打順で復帰することができますよ。打撃を専門に行うDPと、DPの守備を専門に行うFPというルールもあります。
最後に
今回はソフトボールと野球の違いや共通点、球速や投げ方について紹介しました。ソフトボールといえば、浮き上がる軌道の独特な変化球「ライズボール」も有名ですよね。野球でもアンダースローで投げればライズボールのような軌道になるのでは⋯⋯とも思えますが、マウンドの高さの違い、球のサイズの違いなどからライズボールのようにはいかないようです。









