近年、アメリカを中心に静かなブームとなっている「ウィッフルボール」。野球に似たルールを持ちながら、屋外でも室内でも安全に楽しめる手軽さが評価され、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。
今回は、SNSをきっかけに若者人気も急上昇中のウィッフルボールについて徹底解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ウィッフルボールってどんな競技?
ウィッフルボール(Wiffle Ball)は、アメリカで誕生した軽量プラスチック製ボールを使用する野球系スポーツ。
出典元:ワールドマイナースポーツ
最大の特徴は、ボールに空いた穴による「魔球のような変化」。通常の野球ではあり得ない急カーブやドロップが誰でも簡単に投げられるため、初心者でも上級者一緒に楽しめるのが魅力です。
元々は庭先で安全に遊べるように考案されたもので、道具の価格が安く、場所も選ばないため学校や地域コミュニティでも広く採用されています。最近では競技の本格的なリーグも誕生し、スポーツとしての地位も急上昇中です。
ウィッフルボールの基本ルール
ウィッフルボールは野球に似ていますが、以下のような独自ルールがあります。
1チーム人数
公式戦では1チーム3〜5人。少人数でできるため、家族や友人同士でも始めやすいのが特徴です。
投球
ボールに穴が空いているため変化球が簡単に投げられ、投手は驚くほど大きいカーブやスライダーを放つことができます。スピードより「曲げる技術」が勝負の鍵です。
バッティング
軽量のプラスチック製バットで打つため飛距離は抑えられ、狭いスペースでも安全にプレイが可能。ストライクゾーンは固定式ボードを使用することが多く、ボードに当たればストライクです。
得点方法
野球同様、塁を回ってホームに帰れば得点。ベースランニングありの形式と、バットの飛距離によるヒット判定方式の2種類が存在します。
守備
野球の守備とほぼ同じですがスピードが遅い分、反射神経・位置取りのセンスがより重要になります。
使用される用具やコートの特徴について
場所を選ばず遊べるのが、ウィッフルボール人気を支える大きな理由です。ここでは、使用される用具やコートの特徴についてご紹介します。
出典元:LIVESTRONG
使用される用具
| ボール | ウィッフルボールの象徴である 穴あきの白いプラスチックボール。 この穴の配置が独特の空気抵抗を生み、誰でも魔球を投げられる理由になっています。 |
| バット | 細長いプラスチック製。非常に軽いため子どもでも扱いやすい。 |
コート(フィールド)
推奨サイズは 25〜30m程度の奥行きで、ファウルゾーンが広めに設定されることが多いですが、室内体育館でもプレイ可能です。
本格的な大会では「ストライクボード」を使用し、審判のストライク判定を不要にしています。
注目すべき国内外の代表選手たち
本格リーグの誕生によって、ウィッフルボールにも「スター選手」が登場し始めています。ここでは、国内外で注目される代表的プレイヤーをご紹介します。
出典元:MLW Wiffle Ball
Kyle Schultz(カイル・シュルツ):アメリカ
出典元:MLW Highlights
MLW(Major League Wiffle)創設者メンバーで、リーグの「顔」的存在。強打・安定した投球の両方でリーグを代表するスター。
6回以上のMVPを獲得し、多くのファンから「ウィッフル界のGOAT(最高傑作)」と呼ばれることが多く、彼を見るために試合をチェックする人も多いそうです。
Jimmy Knorp(ジミー・ノープ):アメリカ
出典元:MLW Wiffle Ball
アメリカのプロリーグMLWで大活躍するスーパースター。
驚異的な変化球と高い打撃能力を兼ね備え「ウィッフル界の二刀流」と呼ばれています。ムードメーカーとしても人気で、SNSフォロワーも多く、若者から圧倒的な支持を集めています。
Ryan Kracht(ライアン・クラフト):アメリカ
出典元:MLW Highlights
MLWのPacific Predators所属の二刀流スター。投打ともに高い実力を誇り、複数回MVP受賞。投球の多様性と打撃力で試合を支え、YouTubeでも人気のあるリーグの顔的存在です。MLWの若手スターとして、近年MVPやリーグ屈指の強打者として名前が挙がることが多く、その打撃力と巧みなプレーで観客を沸かせる「次世代の“顔”」候補です。
ウィッフルボールの歴史
ウィッフルボールは、1953年にアメリカのコネチカット州で、デイビッド・ニルソン(David Mullany) によって発明されました。
息子が庭で安全に野球を楽しめるように考案されたのが始まりで「軽量でケガをしにくい」「狭い庭でもプレイできる」という理由から全米で爆発的に普及しました。
その後、学校教育やレクリエーションとして採用され、1990年代以降は大人向けの本格リーグが誕生。現在では国際大会も開催され、スポーツとしての地位が確立されつつあります。
日本と世界の競技人口は?
ウィッフルボールは、アメリカを中心に約200万人以上がプレーしていると推定されています。YouTubeやTikTokで「魔球動画」がバズったことで、特に10〜20代の競技人口が増加しているようです。
日本では、スクールやクラブチームの増加により1〜2万人規模まで拡大していると言われています。まだ発展途上ですが、学校のレクリエーションや野球経験者のトレーニングとして採用され始めているといい、今後の成長が期待されます。
年齢・性別問わず初心者でも楽しめるため、家族層や中高年も増加傾向のようです。
ウィッフルボールの魅力や注目ポイント
ウィッフルボールはSNSでバズり、若い世代が流入し続けている「伸びしろのあるスポーツ」です。
プロリーグMLWではYouTubeチャンネル登録者数が急増し、選手たちが「インフルエンサー型アスリート」として成長しているのも新しい流れです。
またウィッフルボールはコストが安いという利点があり、道具一式が数千円で揃えられることも魅力。経済的な理由で野球を続けられない子供たちにとって、新しい選択肢となる可能性も。
国際大会が増えれば、オリンピックやアジア大会の追加競技として採用される未来も夢ではありません。
まとめ
ここまで、ウィッフルボールについてご紹介しました。ウィッフルボールは誰でも魔球が投げられ、狭い場所でも安全に遊べる新世代スポーツです。アメリカを中心に競技人口が急増し、日本でも大会やクラブチームが増加中。国内外のスター選手が登場し、国際大会も盛り上がりを見せています。
今後ますます注目されるスポーツの1つと言えるでしょう。













