陸上競技には棒高跳びというものがあり、走り高跳びや走り幅跳びとは違ってしなやかで長いポールを使ってバーを飛び越えるという特徴があります。ポールを使うことでかなり高いバーを飛び越えることができる棒高跳びですが、世界記録や日本記録はどうなっているのでしょうか。
それでは、棒高跳びの世界記録や日本記録、棒の長さにルールはあるのか、基本ルールについて紹介します。
棒高跳びの世界記録や日本記録は?
棒高跳びは1896年に開催された第1回アテネオリンピックから男子種目となっており、女子は2000年のシドニーオリンピックから行なわれています。非常に歴史のある棒高跳びですが、世界記録や日本記録はどうなっているのでしょうか。
他の競技と違って身体能力よりも技術力などが必要となるイメージがある棒高跳びなので、どこの国が強いのかということも気になりますね。
それでは、棒高跳びの世界記録や日本記録について詳しくみていきましょう。
6m30㎝(屋外)/男子
棒高跳びの世界記録の屋内は、2025年9月15日に記録された6m30㎝となっています。室内における棒高跳びの世界記録を樹立したのは、スウェーデンのアルマンド・デュプランティ選手です。
アルマンド・デュプランティ選手は室内の棒高跳びの世界記録も樹立しており、6m27㎝という記録を持っています。アルマンド・デュプランティ選手は2020年の東京オリンピックと2024年のパリオリンピックで2連覇を達成しているだけではなく、世界選手権やヨーロッパ選手権でも金メダルを獲得している現役最強選手です。
5m06㎝(屋外)/女子
男子の棒高跳びの世界記録は屋外も屋内もアルマンド・デュプランティ選手が保持していますが、女子ではロシアのエレーナ・イシンバエワ選手が2009年8月28日に記録しました。
エレーナ・イシンバエワ選手の屋外における棒高跳びの世界記録は、5m06㎝です。
エレーナ・イシンバエワ選手は、2004年のアテネオリンピックと2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得し、2012年のロンドンオリンピックでは同メダルとなりました。
ちなみに、エレーナ・イシンバエワ選手は練習で5m11㎝を記録したことがあったそうです。
5m03㎝(屋内)/女子
女子室内の棒高跳びの世界記録は、2016年1月30日に記録された5m03㎝です。5m03㎝という棒高跳びの世界記録を記録したのは、アメリカのジェニファー・サー選手で、2位にエレーナ・イシンバエワ選手がいます。
ジェニファー・サー選手は幼少期から様々なスポーツに取り組んでいて、ソフトボールやゴルフ、サッカー、バスケットボール、五種競技などの経験を持っているそうです。
そして、大学から本格的に取り組むようになり、2012年のロンドンオリンピックでは悲願となる金メダルを獲得しました。
5m83㎝/男子日本記録
日本の男子走り幅跳びの最高記録は、2005年5月3日に記録された5m83㎝です。この日本記録を樹立したのはインターハイや日本選手権で優勝経験を持つ沢野大地選手となっています。
沢野大地選手は高校時代にインターハイ2連覇を達成し、2003年と2004年の日本選手権では2年連続で日本新記録を更新して優勝を果たしました。
また、2004年のアテネオリンピックでは、日本人選手として20年ぶりに決勝に進出し、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは自身初となる7位入賞をします。
4m48㎝/女子日本記録
4m48㎝という女子日本記録を樹立したのは、諸田実咲選手です。諸田実咲選手は2023年10月2日に女子日本記録を記録しました。
諸田実咲選手は2016年のアジアジュニア陸上競技選手権大会や2022年アジア競技大会で銀メダルを獲得している実力者です。そして、日本国内では無類の強さを誇っており、日本陸上競技選手権大会では2021年と2023年、2024年で優勝をしています。
棒高跳びの棒の長さにルールがある?基本ルールも紹介
棒高跳びの最たる特徴といえば、ポールと呼ばれる棒を使ってバーを乗り越えていることではないでしょうか。
棒高跳びの選手はジャンパーではなく、ボールターと呼ばれているそうですが、棒の長さなどのルールがどうなっているのか気になりますよね。また、長くオリンピック競技として採用されていますが、基本的なルールを知っているという人は多いのでしょうか。
それでは、棒高跳びの棒の長さにルールはあるのか、基本ルールについて紹介します。
長さは自由
棒高跳びに使用される棒の長さについては特に定められておらず、材質や太さなども任意となっています。ただ、棒高跳びの棒は私物のものを使っていいとされており、他の人のものを借りる場合には所有者の同意が必要であると定められているようです。
また、材質などは自由となっていますが、表面は滑らかでなければならないとされています。
3回まで挑戦できる
棒高跳びでは高い毎にバーの高さが設定されており、競技者はパスして次に挑戦することができます。ただ、パスをしたからといって成功したと認められていないので、6m30㎝をパスしても世界記録更新とはならないようです。
また、棒高跳びではバーに触れたとしても落ちなければ成功とみなされ、3回続けて失敗した場合は失敗となります。
制限時間
棒高跳びでは残っている人数によって、制限時間が設けられています。
例えば、競技者が4人以上残っている場合は競技開始の合図から1分以内にチャレンジしなければならず、2人~3人の場合は3分以内、1人だった場合はバーの高さを1㎝単位で設定することができ、5分以内と定められているようですね。
サドンデス方式
ハイレベルになれば、同じバーの高さで記録が並ぶことがあり、その時にはサドンデス方式によって勝敗が決まります。
サドンデス方式では1位記録よりも1つ高い位置にバーが設定され、そこから成功者が出るまで下げていくそうです、そして、成功者が複数人出た場合には、再度バーの高さを上げて
成功者が出るまで下げるというのを繰り返します。
まとめ
今回は棒高跳びの世界記録や日本記録、棒の長さにルールはあるのか、基本ルールについて紹介しました。
棒高跳びは棒が折れる可能性があって危険そうに感じますが、時代を経て柔軟性と耐久性に優れたポールが使われるようになっています。また、失敗時に備えてヘルメットの着用も認められているので、心配という人は着けて行なっても良いのではないでしょうか。










