「氷上の格闘技」とも称されるスケートリンク上の団体スポーツ、アイスホッケー。日本では馴染みが無いという人も多いかもしれませんが、北米4大プロスポーツリーグの一つにナショナルホッケーリーグ(NHL)というアイスホッケー世界最高峰リーグがあるなど、国際的には高い人気を誇っていますよ。
今回はアイスホッケーで殴り合いが許されるのか、アイスホッケーのルールについて調査しました。
アイスホッケーは殴り合いが許される?
ボクシングなどに代表される格闘技は、ルール自体はあるものの、競技内容は殴り合いと言われても否定できないところはあります。それでは「氷上の格闘技」なんて異名のあるアイスホッケーは、殴り合いが許されているのでしょうか。
北米のアイスホッケーのプロリーグでは、「ファイティング」というルールが存在します。これは一定の条件付きで暴力行為を容認するルールなんです。「アイスホッケーで殴り合いが許される」というのは、部分的には正しいということになるのですね。
ファイティングの詳細なルール
ファイティングのルールはある程度しっかり決められており、1人の選手が相手に喧嘩をふっかけ、相手が受け入れたら乱闘が成立し、ファイティングを行うこととなります。必ず1対1で行わなければなりませんよ。また、スティック、グローブは無しで、ステゴロで行うことも規定で決まっています。乱闘はどちらかが倒れるか、双方が疲れ果てた時点で終了、乱闘が終わった後には両者にメジャーペナルティが与えられます。
メジャーペナルティは、課せられた選手が5分間、ペナルティボックスに閉じ込められるというもの。ルールで認められるとはいえ、必ずペナルティになってしまうのであれば、ファイティングを行う理由が分かりませんね。
ファイティングの意義は?
それでもファイティングはアイスホッケーの戦略上重要な役割を担うようです。ファイティングの目的には「チームの鼓舞」「スター選手の防衛」などがあるんですって。
チームの鼓舞
ファイティングを行うことでチームを勢いづけることが可能とされています。ファイティングを制することができればチームのモチベーションが上がり、負けても「かたき討ち」ということでチームの奮起を促せるようです。
アイスホッケーの観客はファイティングもアイスホッケーの魅力と捉えているので、ファイティングが起これば会場のボルテージもアップ、ゲームの雰囲気が一気に変わるのですね。
スター選手の防衛
スター選手を守ることもファイティングの意義の一つです。ファイティング以外にも、アイスホッケーでは体当たりが認められているなど危険なプレーが起こりやすいスポーツです。そのため、チームのスター選手、主力選手が相手チームから狙われた場合にファイティングで対応、「うちのスターに手を出すならこうなるぞ!」と示すことでスター選手を守るのですね。
ファイティングを任される「エンフォーサー」
そんな訳で、ファイティングはアイスホッケーでも大切なルールなわけです。アイスホッケーのチームには、その大事なファイティングを任される「エンフォーサー」と呼ばれる選手もいますよ。要は用心棒であり、監督の指示を受けて戦略的にファイティングを請け負うのです。
アイスホッケーの暗黙のルールは?
アイスホッケーにも暗黙のルールが存在するのですが、アイスホッケーの暗黙のルールは主にファイティングに関連したものとなっていますよ。どのようなルールがあるのでしょうか。
ファイティングは双方合意で
ファイティングは基本的に、お互いに口頭やジェスチャーで相手の意思を確認し、合意してから行うことになります。相手が怪我や疲労などの理由でファイティングを断った場合、その意思に敬意を表して引き下がるのがマナーです。ただ、片方がファイティングを持ちかけても、もう片方が断った場合は、持ちかけた側だけが5分間退場のペナルティを受けることに。これならファイティングを持ちかけられても断る一択になるような気もしますが⋯⋯チームのモチベーションや観客のボルテージのため、受けて立たないと行けない場面もあるのでしょう。
相手のシフトの後半には仕掛けない
アイスホッケーの暗黙のルールには、「相手のシフトの後半には仕掛けない」というものも。これはどういう意味なのかというと、そもそもアイスホッケーはその激しさ故に体力の消耗も大きく、40秒から1分で選手がどんどん交代していくのです。この1回の出場期間がシフトであり、相手がシフトの後半、つまり交代が近い時はファイティングを仕掛けてはいけないのですね。これだけ短い時間であればファイティングを仕掛ける相手を選ぶのも難しそうです。
勝敗が決した後は結果を潔く受け入れる
片方が殴り倒されるなどの形でファイティングが決着すると、双方その結果は潔く受け入れなければなりません。倒されてしまった後はカッとなって反撃したくもなりますが、それはノーマナーなのですね。
アイスホッケーのボールスピードは?
アイスホッケーのボールのシュートスピードは、時速約160キロにもなります。凄まじいスピードですね。最速のシュートは、現在の国際アイスホッケー連盟が発表するアイスホッケー 世界ランキングでトップ10に入る強豪国、スロバキアの元プロアイスホッケー選手、ズデノ・チャラ選手が2012年のNHLオールスタースキルコンペティションで記録した時速108.8マイル、約175キロとされています。
アイスホッケーの最高ゴール数は?
NHLで歴代最高のゴールを記録している選手は、ロシア代表としても長年にわたり活躍したアレクサンドル・オベチキン選手です。2025年4月、オベチキン選手は通算895ゴール目となるゴールを記録、これまで894ゴールでリーグ記録を持っていた金田の英雄、ウェイン・グレツキー選手の記録を約30年ぶりに更新することとなりました。
オベチキン選手の凄い所は、40歳を迎えた現在も現役として活躍を続けていること。2025年11月には前人未到の900ゴールを記録しており、これからもこの数字を更に伸ばしていくものと思われますよ。
最後に
今回はアイスホッケーは殴り合いが許されるのか、暗黙のルールなどについて紹介しました。ルールに則ってある程度冷静にファイトしなければならないというのは、感情のコントロールが難しそうですよね。近年はファイティングについて疑問視する声も多くあるようですが、ファイティングがアイスホッケーの特色であることもまた事実のようです。










