ラケットでシャトルを打ち合い相手のコートに落とす、球を使わない球技「バドミントン」。1対1で戦うシングルスと2対2で戦うダブルスが主要ルールとして存在しますが、この二つのルールの間には人数だけでなく細かな違いが色々とあるのです。
今回はバドミントンのダブルスのルール、シングルスとの違いについて紹介します。
ダブルスのルール
バドミントンのダブルスのルールについて紹介します。とはいっても、基本的なルールはシングルスとダブルスで共通しています。公式ルールにおいては1試合2ゲーム選手の3ゲームマッチであり、1ゲームは先に21点選手した方が獲得。バドミントンにはデュースのルールが採用されており、20対20になった場合はどちらかが2点差をつけるまでそのゲームは続きますが、29対29まで行った場合は次の1点、30点目を取った方がゲームを得られます。
1ゲーム終了毎にプレイするコートのエンド交換を行い(要するに左右が入れ替わるというわけですね)、3ゲーム目はどちらかが11点先取した際に交換します。
ダブルス特有のルールは？
シングルスとダブルスの一番の違いは勿論人数。人数が違うことでどうなるのかというと、サービス(サーブ)を行う際のルールがダブルスだと複雑になるのですね。
ダブルスでは、まずゲーム開始時に右側の選手が右側から対角線側へサービスを行います。サービス側が得点した場合、同じ選手が左右を変えて、対角線側へサービスします。レシーブ側が得点した場合はサービスの権利が移り、レシーブ側が新たにサービスを行います。この時、点数が偶数であれば右側にいた選手が右側から対角線側へサービスを行い、点数が奇数であれば左側にいた選手が左側から対角線側へサービスを行います。連続して点を取る限りは、サービスの担当は変わらないのですね。
サーブを打つ位置についてはシングルスと共通
ちなみに、自身が今、奇数点なのか偶数点なのかによってサーブを行う位置の左右が変わるというのは、シングルスとダブルスで共通しています。シングルスであればチーム間でサーブを交代するようなことがないのでややこしいことは何もありません。サービスに関するルールについては、「シングルスとダブルスの違い」というよりは「ルールは同じだけどダブルス特有のルールもある」ということになるでしょうか。
ダブルスとシングルスのルールの違いは？
ではダブルスのルールにおいて、シングルスと異なる所は人数以外にもあるのでしょうか。一番の違いとなるのは、ズバリコートの広さです！
バドミントンはシングルスでもダブルスでも同じコートを用いますが、そのコートの使用する範囲が異なってくるのです。ダブルスであれば横幅を端から端まで全て使用しますが、シングルスの場合は使用する幅が少し狭いのです。バドミントンのコートの長辺のラインの名前はサイドラインですが、これはダブルス用のサイドライン。その内側にはまたシングルス用のサイドラインが設けられているのです。
ロングサービスラインの存在
内側のサイドラインはダブルスでは関係ありませんが、反対にシングルスでは関係ないラインもあり、それがロングサービスラインです。バドミントンのサーブは、シングルス、ダブルス共通のショートサービスラインから、後ろのラインまでの間に落とさなければならないのですが、シングルスでは一番後ろのライン、バックバウンダリーラインが「後ろのライン」になるのに対し、ダブルスではそれより内側のロングサービスラインまでに収めなければならないのです(バックバウンダリーラインをシングルスにおけるロングサービスラインと呼ぶこともありますよ)。
サーブにおいては縦の幅はダブルスの方が短い
二人いるということで、ダブルスの方がシングルスより横幅は広いコートで戦うことになるのですが、一方でロングサービスラインはダブルスの方が内側に来るのです。横幅は広くなるのに縦の幅は狭くなるというのは不思議な感覚ですが、よりサーブの精度が求められるということでしょうか。
なお、ロングサービスラインはサービスにのみ影響を及ぼします。サービスを終えた後のラリーについては、バックバウンダリーラインを越えなければオッケーですよ。
ダブルスという競技の特徴は？
一人と二人ということ以外では、案外ルールの違いは少ないシングルスとダブルス。一方で選手に求められる特性、特徴などはシングルスとは変わってきます。
シングルスは一人でコートを縦横無尽、1ゲーム21ポイント先取を最大3ゲームと戦うため、機動力も必要になりますがそれ以上に持久力、とにかくスタミナが重視されるゲーム性になります。一方でダブルスは一人一人がカバーしなければならない範囲が狭く、必要とされるスタミナはシングルスよりも少なめです。
攻撃力はダブルスの方が高め
その分、ダブルスでは球の速度が速くなります。強力なスマッシュなどがシングルスよりも増えるのですね。シングルスであれば、やはり一人で戦う分には限界があり、球を拾って相手に返すだけでも精一杯、スマッシュなどにまで手が回らないという場面が、例えトッププレイヤー同士のゲームであっても多くなります。ダブルスではそれぞれにある程度余裕がある分、力強いスマッシュなど、攻撃的なショットを放ちやすく、シングルス以上に瞬発力や反射神経が必要になるのですね。ルールは共通しているにも関わらず、ゲーム性はシングルスとダブルスで大きく変わるのです。
協調性も大事
当然ダブルスでは二人で行う分チームワーク、協調性も重要視されます。目まぐるしく攻守が入れ替わる中、適切にコミュニケーションを取りながら対応していく必要があるのですね。一人であれば自分の思うがままにプレー出来ますが、ダブルスではそうは行きません。シングルスで活躍していたプレイヤーがそのままダブルスでも力を発揮できるかというとその限りではないのです。ゲームスピードが速い中で声を掛け合いながらというのも限度があるので、「阿吽の呼吸」というのも必要になってくるでしょう。
最後に
今回はバドミントンのダブルスのルール、シングルスとの比較について紹介しました。一人でプレーするのを二人にした、というだけの話ではあるのですが、それだけでゲーム性が大きく変わるというのは面白いですよね。皆さんもシングルス、ダブルス問わず、バドミントンを観戦したり実際にプレーしたりしてみてくださいね！
