『ゲーリックフットボール』ルールは?代表選手はどんな人がいる?競技人口や歴史について紹介

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『ゲーリックフットボール』ルールは?代表選手はどんな人がいる?競技人口や歴史について紹介

「ゲーリックフットボール(Gaelic Football)」というアイルランド発祥の伝統的なスポーツをご存知でしょうか。サッカー・ラグビー・ハンドボールなどの要素を融合させたハイブリッドな競技です。

今回はゲーリックフットボールのルールを始め、注目選手や魅力などについても詳しく調査しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

「ゲーリックフットボール」ってどんな競技?

ゲーリックフットボールは、アイルランドの伝統スポーツ文化の中心的存在です。サッカーとラグビーを掛け合わせたようなスポーツで、手と足を使ってボールを運び、ゴールまたはゴール上のバーを越えることで得点します。

出典元:ワールドマイナースポーツ

多彩な戦術やスキルが絡み合い、攻守の切替が激しいため、高いスタミナや判断力、個人技・連携力が必要となります。

ゲーリックフットボールの基本ルール

ゲーリックフットボールは15人対15人のチーム戦で行われ、各チームはフィールドプレーヤー14人とゴールキーパー1人で構成されます。選手はボールを手で持って走ることはできず、4歩までの移動は可能です。ボールを運ぶには、バウンドまたは キック、ハンドパスを使い、足から手に持ち替える際には、一度ボールを地面にバウンドまたはキックしなければなりません。

出典元:Ninh Ly

得点方式

前後半各30分、合計60分で試合が行われます。ゴールのネットにボールを入れると【3点】、相手ゴールバーの上を越えるようにボールを蹴るか、手で打つと【1点】が入ります。

反則・ファウル

タックル・持ち寄せ・押し込みなどの過度な身体接触は反則。相手を押す・引く行為も不可となります。ボール保持者に対する「ハンドパス阻止」の不当な妨害も反則です。

使用される用具やコートの特徴について

ゲーリックフットボールで使用される用具やコート・フィールドの特徴についてご紹介します。

広大なフィールドと得点構造、そしてポスト+バーの構造などが競技を特徴づけています。

出典元:ワールドマイナースポーツ

使用される用具

使用される用具は以下の通りです。

ボール

サッカーボールに近い丸型のボールが使われますが、やや厚みがありグリップ性・空気圧調整が最適化されています。

ゴールポスト

ゴールライン上に設置されたポスト+バー+ネットを備えた構造。ポストとバーはラグビー型ポストを兼ねた構成で、バー上方にボールを通せば1点、ネットに入れれば3点となります。

コート・フィールド

フィールド規模は、縦が約130~145m、横が約80~90m程度とされ、非常に広い面積を持ちます。ハーフライン、 20 メートルライン、 45 メートルライン、ゴールエリアラインなど複数の線が引かれ、戦術的ゾーンが視覚的に区別されています。

注目すべき国内外の代表選手たち

ゲーリックフットボールはアイルランド国内で最も高い人気を持つスポーツであり、強豪選手たちが多く存在します。

日本ではゲーリックフットボールは非常にマイナーな競技で、日本国内でもいくつかのクラブが活動していますが、有名選手と呼べるレベルの日本人選手はまだいません。

以下では、近年注目される選手を何人かご紹介します。

①Stephen Cluxton(ステファン・クラックストン):アイルランド

出典元:Jack the Hack

近代ゲーリックフットボールで最も影響力のある選手の1人。ポジションはゴールキーパーで、ゴールキックの精度が非常に高いと言われています。オール・アイルランド優勝を8回以上経験。

②Colm Cooper(コルム・クーパー):アイルランド

出典元:DK Sports

史上最高のフォワードの1人と称され、得点力と視野の広さに優れています。ポジションはフォワードで、オール・アイルランド優勝5回、オールスター受賞多数という実力者です。

③Diarmuid O’Connor(ディアルミッド・オコナー):アイルランド

出典元:GAA-officialgaa

アンダー20世代から代表経験があり、シニア代表としても活躍。2025年のオール・アイルランド選手権優勝に貢献した若手選手。

ポジションはミッドフィルダー、ハーフフォワードで、広い視野からのパス供給や攻撃的な展開能力、運動量の多さが魅力の選手です。

ゲーリックフットボールの歴史

ゲーリックフットボールの起源はアイルランドの伝統的な球技にさかのぼるとされ、19世紀末に現代的なルールが整備されました。

1884年にアイルランドの民族文化・スポーツ振興を目的としたGAAが設立され、ゲーリックフットボールが最初の主要競技の1つとなりました。当初は地方ごとにバラバラだったルールを統一し、1887年には初期の公式ルール草案が作成。
その後アイルランド全土で定着し、アイルランド政府の無形文化遺産リストにも登録され、ゲーリックフットボールは文化保存の観点からも重要視されています。

日本と世界の競技人口は?

ゲーリックフットボールはアイルランド以外では、イギリス、オーストラリア、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパ大陸でもクラブが設立されています。

国際レベルでの競技人口や登録選手数の公的統計はあまり公開されていませんが、アイルランド国内では2023年時点で、約56万人の登録会員が存在すると言われています。その内の25万人程度は18歳未満。

出典元:World Sport

アイルランドには2200以上のGAA所属クラブが存在し、ほぼすべての地域にクラブが点在していますが、アジアや日本国内の競技人口は極めて少数と考えられます。

ゲーリックフットボールの魅力や注目ポイント

ゲーリックフットボールはキック、ハンドパス、キャッチ、バウンス、ドリブルなど多様な技術が組み合わさり、選手には幅広いスキルが求められます。

出典元:DK Sports

また攻守の切り替えが早く、フィールドが広いため選手は持久力や俊敏性、跳躍力が不可欠となり、見る側にも「選手の全力の動き」が映える見どころとなります。今では女子版も制度化されており、年齢や性別を問いません。

また、多くの選手がアマチュアとして活動しており、日中は職業を持ちつつスポーツ活動を行うケースが多いため、努力すれば有名になれる競技性も魅力的です。

まとめ

ここまで、ゲーリックフットボールについてご紹介しました。

ゲーリックフットボールは、発祥地であるアイルランド内では1番人気のスポーツと言われています。学校の体育の授業でも採用されるほど。世界中で人気が加速しているようです。

まだ日本では認知度が低いゲーリックフットボールですが、これから普及の余地が十分あるスポーツなのではないでしょうか。

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