『スカッシュ』ルールは?代表選手はどんな人がいる?競技人口や歴史について紹介

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『スカッシュ』ルールは?代表選手はどんな人がいる?競技人口や歴史について紹介

「スカッシュ」は4面の壁に囲まれた専用コートのなかでボールを打ち合う、スピード感と瞬発力が求められるラケットスポーツです。短時間ながら高強度なラリーが続くため、観戦・プレーともに刺激的。

今回はそんな「スカッシュ」のいろいろについて調査しました。ルールはもちろん、用具・コートや注目選手、歴史、魅力までご紹介します。

目次

スカッシュってどんな競技?

スカッシュは一般的に2人(シングルス)または4人(ダブルス)で行われ、ラケットとボールを使い、壁に当てて交互に打ち返すことでラリーを続けるインドアスポーツです。

プレー時間は1ラリーが非常に速く、フットワーク・反射神経・角度・戦術が求められ、観ていても駆け引きが楽しめる競技です。

スカッシュの基本ルール

以下がスカッシュの主な基本ルールです。

出典元:Greetings Squashグリーティングス スカッシュ

サービス

試合開始時・各ポイント開始時にはサービスが行われます。サービス時は片足がサービスボックス内に置かれていなければなりません。

ラリー

サーブを打った後、相手が返球。前面壁(フロントウォール)の規定のライン内に当てなければならず、側面・後壁を経由しても構いません。

ポイント

相手が返球できず、ボールが床に2回バウンドする前に返すことができなかった場合やボールがアウト(コート外)や壁の上部境界を超えた場合。また、故意や不適切に相手の返球機会を妨げた場合にポイントが入ります。

試合の勝利

通常は「5ゲームマッチ」が採用されることが多く、先に「3ゲーム」取った方が勝利。

現在の主流は「PAR(ポイント・オール・ラリー)」方式で、セットあたり先に11点取った方が勝ち。10–10の場合は2点差がつくまでとなります。

使用される用具やコートの特徴について

スカッシュをプレーする上で欠かせないのが、コートの構造と用具です。

使用される用具

スカッシュで使用される用具の特徴は以下の通りです。

  • ラケットはテニスラケットよりヘッドが小さく、長さ・重さも異なります。
  • ボールは硬質ゴム製(空気入りではないものが一般的)で、球速が異なる種類(ドットマーク:ブルー・レッド・イエローなど)があります。
  • ボールの種類により「速め(初心者向け)」「遅め(上級者・競技用)」などがあり、ラリー性を変える要因にもなっています。

コート

スカッシュで使用されるコートの特徴は以下の通りです。

  • シングルス用コートの標準寸法:長さ9.75 m✕幅6.4 m。
  • 前壁(フロントウォール)の最低高さ:4.57m。
  • 後壁の下部ラインの高さ:2.13m。

サービスボックス(バック側に2つ設置)など、床・壁・ラインなど細部まで規定があり「四方を壁で囲まれた箱状の部屋」という特殊な構造です。

コートによってはガラスバックウォールに観客席を設けたものもあり、観戦しやすい構造になっていることも。用具とコートが一体で「速さと反射」を求められる設計です。

注目すべき国内外の代表選手たち

ここでは、国内・海外からスカッシュの代表選手たち数名をピックアップして紹介します。

①渡邉聡美(わたなべ さとみ:日本)

https://twitter.com/JapanSquash/status/1709390062881030506

1999年1月生まれの26歳(2025年現在)。横浜出身で8歳の時にスカッシュを始め、12歳の時には単身でマレーシアにスカッシュ留学。

2014年にプロ転向し、2017年には最年少で日本チャンピオンに。全日本選手権は5連覇し、2025年8月時点で日本人初の世界ランキング上位(6位)を記録。

日本国内のみならず国際大会でも活躍し、スカッシュ日本界を代表する選手として注目されています。

②Nicol David(ニコル・デーヴィッド:マレーシア)

出典元:SQUASHTV

2006年にアジア人初の世界ランキング1位となり、2005年以降スカッシュ女子最多の7回優勝。女子選手として最長に近い期間、世界ランキング1位を維持しました。

スカッシュ女子界において「最も成功した選手」「レジェンド」の1人としてその名を残しています。

③Ali Farag(アリ・ファラグ:エジプト)

出典元:SQUASHTV

2025年5月に引退を発表するまで、数多くのタイトルを獲得してきた選手。個人・団体共に4度の世界チャンピオンに輝いており、世界ランキングでもキャリア最高位は1位。

エジプトがスカッシュ強国であることを象徴する存在で、男子スカッシュ界を牽引するスターです。

スカッシュの歴史

スカッシュはイギリスの公立学校などで「ラケッツ(Rackets)」というスポーツから派生したと言われています。1830年頃に「穴が開いた(または空気を抜いた)ボールが壁に当たって“潰れる(squash)”変化を生む」という発見から始まったとされます。

その後、1904年に米国で全国統括団体が設立。日本では1971年に在日イギリス大使を会長に迎えて、日本スカッシュ協会が設立されました。

スカッシュは学校やクラブを基盤に発展し、ラケットスポーツの中でも「室内・壁あり」という特徴的環境で成長してきました。

日本と世界の競技人口は?

スカッシュの競技人口は、185ヶ国以上で2000万人以上いるというデータがあります。一方、日本国内の具体的な数値や男女・年代別の詳細なデータは公的に広く報じられていません。

発展途上国・地域でも急速に普及し、2028年のロスオリンピックの公式種目に採用されるなど競技レベルも国際的に拡大しています。

しかしコートの設置、ラケットやボールなどの道具の入手、競技人口や認知度という点では、テニスやバドミントンほどではないのが実情です。

スカッシュの魅力や注目ポイント

スカッシュが持つ魅力・注目ポイントを挙げてみます。

出典元:TVh北海道ニュース

  • コートが狭く四壁で囲まれているため、打球スピード・反射・体のキレが重要。
  • 瞬時の判断がラリーを左右。
  • ただ打つだけでなく、壁を利用した角度、ドロップショット、サイド壁を利用して打つなど、多彩な技術や戦術が要求されます。
  • ガラス壁のコートを用いれば観客からの視認性も高く、迫力あるラリーや展開が観戦側の魅力になります。

スカッシュは「体を動かしたい」「頭も使いたい」「スピード感・戦略性を味わいたい」という方に特におすすめのスポーツです。

まとめ

スカッシュは、瞬発力・戦術性・運動量すべてが詰まった競技です。ルールは比較的シンプルですが、用具・コート・角度・戦術が深みを与えており、国内外で多くの優秀な選手が活躍しています。

2028年のロスオリンピックでも追加競技となり、これからさらに普及が期待されるスポーツです。

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