ハンマー投げの世界記録保持者は?ハンマーの重さは?歴史や競技内容も紹介

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ハンマー投げの世界記録保持者は?ハンマーの重さは?歴史や競技内容も紹介

走るだけでなく様々なジャンルの競技がある陸上競技。中でも投擲競技に属するハンマー投げはとてもダイナミックでパワフルな競技で、見ていて圧倒される物がありますよね。そもそもハンマー投げのハンマーの重さってどれくらいなのでしょうか。

今回はハンマー投げの世界記録保持者、ハンマーの重さ、歴史や競技内容を紹介します。

目次

ハンマーの重さは?

ハンマー投げの世界記録について紹介したいのですが、その前にハンマー自体の重さについて確認してみましょう。ワイヤーと砲丸、グリップからなるハンマーですが、その重さは男子の競技で使用される物で7.260キロ、女子の競技で使用される物で4.000キロです。想像より軽いと感じるか重いと感じるかは人それぞれでしょうね。ワイヤーの長さは男子で1.175-1.215メートル、女子で1.160-1.195メートルですよ。この長さの分、砲丸に身体を持っていかれることになるので、数字以上に重たいという所があるのかもしれません。

ハンマー投げの世界記録保持者は?

ではハンマーの重さも踏まえてハンマー投げの世界記録保持者、及びその記録を見てみましょう。ハンマー投げの男子世界記録保持者は、ソビエト連邦のユーリ・セディフ選手。1986年8月30日に記録されたもので、その距離は86.74mでした。ちなみに男子日本記録保持者は、圧倒的な身体能力で知られる室伏広治選手。2003年6月29日に記録されたもので、84.86mでしたよ。

女子の世界記録保持者はポーランドのアニタ・ヴォダルチク選手。2016年8月28日に記録されたもので、82.98mでした。女子日本記録保持者はマッカーサージョイアイリス選手。2024年3月22日に記録されたもので、70.51mとなっています。

出展:Tokyo 2020

ハンマー投げの歴史

ハンマー投げの起源は、なんと紀元前1829年にまで遡るそう。日本において江戸時代に相当する1829年ではなく、紀元前の1829年ですよ。そこまで昔の話になるとこれから紹介する発祥も事実なのか怪しく思えてしまいますが、当時のアイルランドのタラ村で行われていた「ティルティンのゲーム」という車輪投げがハンマー投げの起源なのだとか。この時行われていたのは車軸に片方の車輪がついたものを回転して投げ飛ばすというスポーツ、確かにハンマー投げと似ているところもあるような気がしますね。

時を経る毎に現在の形に近くなった

その後も各地で色々な形でハンマー投げに連なっていくような競技が行われていたそう。そう考えると「ティルティンのゲーム」がハンマー投げのただ一つの直径の祖先という訳ではなく、時は前後しながらもハンマー投げの元となるような競技が複数ゼロから誕生していたということなのかもしれませんね。

鍛冶屋のハンマーを投げ合ったり、農機具を投げ合ったり、色々な形があった投擲競技は、中世頃には「石投げ」「棒投げ」「釣り糸のおもり投げ」と、どんどん現在のハンマー投げに近い形に変遷していったようです。

1900年のオリンピックで正式種目に

19世紀後半頃からパブリック・スクールや大学の陸上競技大会などでハンマー投げが採用されるようになり、ハンマー投げは盛んに行われるようになりました。そして1900年のパリ五輪で、初めてオリンピックの正式種目に採用されましたよ。とはいっても、1900年パリ五輪は夏季オリンピックの2回目の大会です。ハンマー投げはオリンピックの歴史の中ではかなり古株な競技なのですね。

ハンマー投げの競技内容

ここからはハンマー投げの競技内容について紹介します。まず、競技の概要としては、ハンマー投げは金属で出来た球とハンドルをワイヤーで繋いだハンマーをどこまで遠くまで投げられるかを競う競技ということになります。投擲競技には他にもやり投げ、砲丸投げなどがありますが、投げる対象が最も重いのがハンマー投げ、ぐるぐる回って遠心力も活かして投げるというのは他の投擲競技では見られない特徴ですよね。

ルール

ハンマー投げは円形のゾーンからハンマーを投げて、その距離を競う競技です。円の大きさは直径2.135メートル、この広さの円の中でぐるぐると回って勢いをつけ、ハンマーを飛ばさなければなりません。投げる時に選手が円の外に出てしまうと失格、ただ円の内側に触れるのはセーフです。また、記録が測定される範囲も決まっており、水平面の角度34.92度のラインの内側にハンマーを収めなければ記録は残りませんよ。

公式大会では、まず全ての選手が一人につき3回まで試技、つまり投擲を行うことができ、その結果上位8位までに入った選手が更に3度の試技を行う事ができます。

何回回る?

重たいハンマーを遠心力も使って飛ばすためにハンマー投げの選手はぐるぐると回ってハンマーを投げるわけですが、ある程度早く回らないと飛距離には繋がらず、一方でハンマーをリリースする角度も距離を伸ばすのには重要ですが回転しながら正しい角度でハンマーをリリースするのは簡単なことではありません。

ハンマー投げでは規定上、円から出なければ何回回ってもOKなのですが、現在は4回転が主流となっています。世界記録は3回転で出されたものであり、また5回転で投じる選手も稀にいるようですが、回れば回るほど記録が伸びるというわけでもないのですね。

ハンマー投げの記録を伸ばすにはどんな能力が必要?

ハンマー投げでは、投げる瞬間に背筋になんと400kg以上もの負荷がかかるとされており、ハンマー投げで記録を伸ばそうとすると強靭な肉体が必要になってきます。一方で適切にハンマーをリリースするには高い技術力も要求され、肉体面だけでなく精神面でも要求されるものが大きいスポーツであるため、競技スタートから選手として大成するまでにはある程度の時間と経験が必要になり、ハンマー投げのトップアスリートは20代後半から30代の選手が多くなる傾向にあるようですね。一方で陸上競技の中では選手寿命は長め、40代でも現役という選手も多めですよ。

最後に

今回はハンマー投げの世界記録保持者やハンマーの重さ、歴史や競技内容について紹介しました。数多ある陸上競技の中でも強い独自性を持ち、見るものを魅了する、ド迫力の競技であるハンマー投げ。オリンピックや世界陸上の際には、皆さんも是非ハンマー投げの競技や、ハンマー投げに挑む選手に注目してみてくださいね!

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