クロスミントンというスポーツをご存知でしょうか。ラケットスポーツの定番「テニス」「バドミントン」「スカッシュ」を融合させた、新ラケットスポーツのことです。日本では2008年に「日本でクロスミントン協会」が設立されています。そんな注目のスポーツであるクロスミトンですが、ルール等が気になる人も多いでしょう。今回は、クロスミントンについて、調査しました!
クロスミントンってどんな競技?
バドミントン、テニス、スカッシュをミックスした新しいスポーツです。競技性より国際性とレジャー性に優れており、日本国内でも徐々に広まっています。端的に言うと、「屋外で遊べる風に強いバドミントン」「ネットのないバドミントン」とのこと。2001年にドイツで考案されて以降、クロスミントンは40カ国以上に普及しています。バドミントンは風があるとシャトルが流されますが、クロスミントンは風に強く、思いっきり打てるのが特徴です。また、コートやネットを必要しないので、体育館でなくとも公園や庭、砂浜、雪上など、場所を選ばずに遊ぶことができます。暗闇で行うクロスミントン(ブラックミントン)もあり、昼夜問わずプレーすることができるのです。もともと、ラケットメーカーの「スピードミントン」と呼ばれていましたが、2016年に現在の「クロスミントン」に変更されています。
クロスミントンの基本ルール
クロスミントンの基本ルールは、2人のプレーヤーが12.8メートルの距離を挟み、それぞれ5.5 x 5.5 メートル四方コートに向かい合わせに立ちます。スピーダーと呼ばれるボールを打ち合い、1セットは16点までですべての得点をカウントします。先に2セットを取ったほうが勝ちです。1セット16点マッチで、サーブは、サービスラインの後ろから打って、常に3本交替でおこなわれます。
得点の入るポイントは、
- スピーダーがコート内またはライン上に落ちて打ち返せなかったとき
- スピーダーが床またはコート外に落ちたとき
- サービスを失敗したとき
- 一人で2回打ったとき
- 体がスピーダーに触れたとき
となっており、「ネットのないバドミントン」とイメージすると良いでしょう。
使用される用具やコートの特徴について
クロスミントンには、コートが必要ないのでスピーダーとラケットがあればいつでもどこでも楽しむことができます。ラケットはバドミントンより柄の部分が短く、軟式テニス用ラケットのような作りです。
スピーダー
スピーダーとは、バドミントンでいうシャトルにあたるものです。風に強く、風速4mでも30mは飛ぶように設計されています。バドミントンのシャトルを小型化したような作りで、バドミントンのシャトルより丈夫で、若干重みがあるので、少しの力でより遠くまで飛びます。スピーダーは、プレイスタイルに合わせた3種類があるようです。
ファンスピーダー
スピードが出にくいスピーダーで、初心者や子供向けの作りになっています。スピーダーを打つ感覚を磨く練習に最適で、力強く打ってもあまり遠くまで飛ばないので安心です。ジュニアの公式試合でもこれが採用されています。
マッチスピーダー
ファンスピーダーよりもスピードが出るので、クロスミントンのスピード感をつかむことができます。マッチスピーダーでラリーが続くようになると、本格的に競技に参戦でき、熟練向けの公式試合用スピーダーです。
クロススピーダー
クロススピーダーは9.3gもあるスピーダーで、風の強い砂浜などでもプレイできます。重い分、スピードが速くなるので、初心者には難しいです。十分慣れてから使うと良いでしょう。また、スピーダーの先端が光って夜でも遊べる「ナイトスピーダー」もあります。
コート
コートはサイドにある5.5m(18 ft = 5.4865 m)四方の正方形エリアで、「スクエア」と言われています。スクエア間の最短部は12.8m(42 ft = 12.8018 m)で、テニスコートの縦半分ほどの広さです。コートは場所を選ばないので、芝生や砂浜、雪上などでプレーすることができます。
注目すべき国内外の代表選手たち
続いて、クロスミントンの注目選手を紹介します。クロスミントンの世界ランキングは、公式にはランキングシステムが存在しません。そのため、日本ランキングで注目選手が名を連ねています。
西村昭彦
西村昭彦さんは、クロスミントンの日本代表選手です。2018年のジャパンオープンではシングルス優勝、2019年の世界選手権ではミックスダブルスで優勝に輝きました。日本ランキング1位というトッププレーヤーで、普段はadidas Badmintonのセールス&プロモーションを務めています。クロスミントンの普及活動にも力を入れている西村昭彦さんは、国内におけるクロスミントンの第一人者といえます。
高橋和鈴
高橋和鈴さんは、クロスミントンの世界選手権・U16女子シングルスで優勝しています。名古屋出身の高橋和鈴さんは、もともとバドミントンをしていて、クロスミントンに転身したそうです。クロスミントン界では、「世界一のJK」として注目を集めています。
阿部優理菜
阿部優理菜さんは東京都青梅市出身で、「第6回クロスミントン世界選手権大会」では優勝に輝いています。現在は青梅市内の医療機関で勤務するかたわら、クロスミントンに打ち込んでいます。競技を広める活動にも積極的なようです。
クロスミントンの歴史
クロスミントンは、2002年にドイツで考案され、2005年には東京でスピードミントン教室が開校されました。いくつかのスイスの大学で体育の授業に採用されるなど、多くの学校で授業の一環として広まっています。2016年には競技名を「クロスミントン」と改め、2018年4月1日には豊田市クロスミントン協会が設立されています。
日本と世界の競技人口は?
競技人口は世界で4万人、日本では4千人ほどの競技人口となっています。ドイツ発症なので、やはりヨーロッパで多く親しまれているようですね。また、バトミントンと同様男女関係なく、幅広い世代でプレーされています。
クロスミントンの魅力や注目ポイント
クロスミントンはネットがないためラリーが続きやすく、初心者でもすぐに楽しむことができます。打ち合う際は打ち上げ花火のように「ヒュー」という音が出るので、子供にも楽しまれるスポーツです。また競技人口が少ないので、日本代表を目指せることもポイントなんですね。
まとめ
今回は、クロスミントンについて紹介しました。日本で徐々に普及しつつあるスポーツですが、場所を選ばずどこでもプレーできるので、老若男女問わず楽しむことができます。競技人口が少ないので日本代表を目指せる可能性もあるというのも、注目ポイントですね。